11周年ありがとうございます!
なんだかんだでもう4月。
本当に早いです。
3月はプライベートで色々と忙しく中々更新できなくてすみませんでした。
気を取り直して。
それでは今夜も。はっじまるよ~(≧▽≦)b
4/17をもちまして、うさぎの木は11周年を迎えます。
これも皆さまのおかげです。
本当に本当にありがとうございますm(_ _)m
色々あった11年間。苦しい時もありましたが楽しかったですね(*´▽`*)
そしてコロナ禍での苦境。
この2年間は本当に地獄でした。
今も厳しいのは変わりませんが、気持ちに踏ん切りが付いた分少しは楽なのかな(笑)
だってどうにもならん。
ケセラセラ。なるようになるさ、と割り切って一日一日を楽しむようにしてます(*^-^*)
節目なので、今日は何を書こうかな…と昨年のブログを読み返してみました。
ん~…。結構書いちゃってますね(;´∀`)
そしてお客さまの話を読んで涙。
懐かしいな……と。
うさぎの木の由来にしようかと思ってたのですが、ちょっと重い話になるのでそれはまたの機会にして。
今日は私がソムリエになった当時の話を書こうと思います。
(多分まだ書いてないよね?(・・?
私が以前ラパンアジルに勤めていたのは周知のコトかと思いますが、呼ばれた当時はフレンチを離れてブランクが2年ほどありました。
オープンのレセプション時に、暇ならちょっと手伝ってくれない?との話から始まり、なが~くお世話になりました。
そしてラパンアジルでの経験が私の人生を変えてくれました。
ワインの知識などほとんどなかった20代の私は、リストのワインだけ覚えればいいよ!と言われその通りに。
でもお客さまと話していると「ソムリエなんですか?」と目をキラキラさせて期待を込めたお顔で聞かれるんです。
えっと…。違います。まだ勉強中なんです。。。と答える機会が徐々に増え気まずく思っていました。
オーナーシェフからは店のイメージがあるんだからソムリエだと言え、有資格者とは言ってないんだから嘘じゃない、ソムリエって言うのはワインに携わる仕事の事だ!と偽物のバッチまで買ってこられて悩む毎日でした。
そんなある日、一組のお客さまからまた同じ質問が。
いつも通りに本当の事を伝えると、態度を一変させ…
「な~んだ、ソムリエじゃないんだ。ガッカリ。フランス料理店にソムリエもいないの?」
…と手厳しいお言葉を頂きました。
悔しくて悔しくて。
何より自分自身が気まずく思っていたのに。分かっていたのに目をそらしていた自分を見透かされた気がして。
分かっていたんです。どれだけ勉強していても知識があっても有資格者には敵わない、と言うか世間では認められないってコト。
じゃぁソムリエになってやるよ!とそこからスイッチが入りました。
意地でも取ってやる、その暁にはその鼻明かしてやる!くらい勝気で(; ・`д・´)
ソムリエ試験は初夏あたりです。
私の時は確か7月だったかな。
ソムリエ、ワインエキスパート、ワインアドバイザーとランクがあるのですが、オーナーシェフは、まずは下から取ってみたら?と息巻いてる私になぜか優しかったです(笑)
でも私は、そうするとソムリエになるまで時間かかりますよね?
何度も試験を受けるより一発でてっぺん(ソムリエ)を取った方が早くないですか?と。
1月頃から勉強を始めてみたものの、本当に私に出来るのか…。
仕事も当時は早朝からのお弁当、ランチ、仕込み、ディナータイム、閉店後の事務作業。
休憩もまともに取れないほどの繁盛店。朝から深夜までの仕事でした。
そんなある時、東京で店を開店した先輩が遊びに来て、なになに?ソムリエ試験受けるんだって?と冷やかしに来たのかと。
私は今こんなに頑張ってるんです!と、得意げに話しました。
ところが、です!
みゆきちゃん、何時間寝てるの?4.5時間も寝られてるじゃん。
みゆきちゃんが寝てる間に同じソムリエを目指してる人は勉強してるかもしれないよ?品種ひとつ覚えてるかもしれないよ?
それにもっと仕事がキツイ人だっているよ?
まだ頑張りが足りないと思うな、本気で取ろうと思ってる?ってぇぇぇぇぇぇぇ。((((;゚Д゚))))ヒィ
またもや悔しいやら恥ずかしいやらで…はい、2回目の火が付きました(笑)
そこからは睡眠3時間に削って、どこにも出かけず誰とも遊ばず。
もちろん禁酒、願掛けで家族と職場以外の人には誰にも言わず。
だって落ちたら恥ずかしいじゃないですか。
仕事を終えてから、当然夜は眠くなります。
睡魔との闘いの連日、そんなある日閃いたのは…( ゚д゚)ハッ!
食べるからお腹いっぱいで眠くなるんじゃん?
ベッドがあるから寝たくなるんじゃん?…と。
じゃぁ食べなければいいよね!
ベッドも片付けよう!
翌日からはカロリーメイトとブラックコーヒーのみの生活、お肌が荒れるのでサプリメントも取りながら。
睡眠は机の上にクッションを置いて仮眠、ベリーショートスリーパー!!
まぁ時々寝坊してよく怒られましたけど(;´∀`)
睡眠学習法、記憶力向上、などなどその手の本も読んだりしましたが、効果などもちろんある訳がなく。
時間を返せーっ!と本を投げつけた事もありました(笑)
だってね、忘れる事が記憶力の引き出しを作るからイイコト!みたいなオチで。
なんじゃそりゃって話です。
結局地道にコツコツしかないんですね( ̄▽ ̄)
そんなこんなで約半年。
ラストスパートの一ヶ月は睡眠1.5時間で耐え、体重が34キロまで落ちました(;´д`)。
もう微塵も後悔はない、これでダメならもう二度と受けない、と。
なによりそんな生活が苦しかったからこそ、ここでやめる訳にはいかないと自分を追い込んでいました。
二度とこんな思いはしたくないからこそ、これが最後と。
そして試験当日。
地下鉄の車中でまさかのうたた寝、しかも反対側の電車に乗ってしまっていて。
気が付いたら田園風景が!!
は?!ここどこ?!\(゜ロ\)ココハドコ?
久しぶりにまともな食事を、モーニングでも優雅に食べよっかなーなんて早く出ていたのが幸いでしたが、パンプスを脱ぎ全力ダッシュしたのは人生で最初で最後だと思います(>_<)
ドラマかっ!!(笑)
試験も終わり1ヶ月後位に合否の結果が出るんです。
受かっていたらテイスティングとサービス実技の二次試験。
でもそんなの待っていたらその時間がもったいないので、一時試験が終わった瞬間から今度は酒浸りの毎日です(笑)
ランチ後、ディナータイム後に職場のみんなに手伝ってもらってブラインドテイスティング。
その後はバーへ行き、ウィスキーのテイスティング。
当時は茶色いお酒が苦手だったので、そこは覚えるのにかなり苦戦しました。
そんな夏のある日、ランチタイムが終わりそうな時間でした。
その日は合否発表の日で私はずーっとソワソワ。
「おーい!おまえ受かってるぞ!よく頑張ったな、良かったな!おめでとう!!
二次試験頑張れよ!」って。
え?…はい?!
あの…発表ってネットだし、ログインパスワードとかないと見れないはずだから違うと思うんですけど…。と私。
「うん、知ってる。通知見て勝手にログインしたから。受かってるよ!!」
はぁぁぁぁぁぁぁ!?Σ(゚Д゚)
何を勝手に!と怒りながらも、嬉しさと安堵感とで感情グチャグチャで私は号泣(ノД`)・゜・。
そんな時に「おいおい、おっぱい見えてるよ?!」と(>_<)
そう、体重が激減した私は当時ブラジャーが不要なほど痩せてしまっていて。
おまけに当時の制服はセーラー服のような物で、制服の裾で涙を拭ったのでポロリしちゃったんですね(;´д`)
あ、山がないんだからポロリじゃないか(笑)
余談ですが。
試験の前に当時は講習会がありまして。
ランチだけお休みをもらい私も行きましたが、ネイルをして香水を付け濃いめの化粧をしたキレイなCAさんたちがキャッキャッと話してるんですよね。
話を聞いているとどうやらワインセミナーに通っているらしく。
地方だとほとんどの人は独学です。
羨ましくも思いましたが、こんなチャラチャラした人たちにだけは絶対に負けたくないと思い…
そこで3回目の火が付いたのかな、もはやブーストでしたね( ̄▽ ̄)bグッ!
私はソムリエになる前、ソムリエになりたくなかった。
どのレストランに行っても上から見下すソムリエが多い事。
知識ばかりひけらかして、専門用語を並べて自己満足の人ばかり。
ちっともお客さまの事なんか考えてないように見えて嫌悪感を持ってたから。
だからこそワインは難しい酒だと思われてしまうんだと。
私はそういうソムリエにならないようにしようと今でも思ってます。
ソムリエがいるのにグランヴァン置いてないの?と仰る方もいらっしゃいます。
ありますよ?本当に飲むならお出しいたします。
本当のソムリエとは、お客さまの好みに合う一番のワインを提供する事だったり、コスパのいいワインや珍しいお酒を探す事だと私は思います。
業界では私は変わり者のソムリエらしいですが、そんなの気にしないもんね。
お客さまが喜んでくれたらそれが一番の喜びです(*^-^*)
私はソムリエになりたかった訳じゃない。
いいサービスをしたかった、その延長線上にソムリエがあっただけ。
試験の結果ですが、幸運にも二次試験も無事受かり、今があります。
あれだけ苦戦した蒸留酒はなんとまさかの麦焼酎だったし(笑)
運ばれてきた瞬間に分かるわっ!
今となってはいい思い出です。ウィスキーも今では大好物です(笑)
あの時叱咤してくれたお客さまにも感謝です。
ありがとうございました。
今私はシェフとして料理を作ってますが、ワインはもちろんお酒は私のチョイスです。
何かお気づき等あればいつでも呼んでくださいませ。
喜んで参ります。
あ、料理のタイミングを見ながらになりますが、そこはご容赦を。
うさぎの木を始めたのが30代、私もいいお年頃( *´艸`)
いつまで続けられるか分かりませんが、皆さまのお声がご来店が励みになり、
こんな私にも存在意義があったらいいな、と毎晩のお酒が美味しくなります。
いつもうさぎの木をご愛顧賜り、本当にありがとうございます。
そしてそんなうさぎを盛り上げてくれる胡桃、陽子、いつも本当にありがとう。
皆々さま、今後とも末永くうさぎの木を何卒よろしくお願い申し上げます。
まだまだ頑張らせてくださいませ。
長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
オーナーシェフソムリエール
落合 美由紀